対策必須！そのままでは経審の点数は下がります！！

群馬県の建設業許可なら任せろ！群馬県で建設業許可を専門にしている行政書士の小野です。

昨年と同じくらいの点数になるだろうと予想していたのに、なぜか経審の点数が下がって
困っている事業者さんも多いのではないでしょうか。

今回は改正された経審の中身についてお話していきたいと思います。

改正はW点のみ

今回の経審の改正は、「その他社会性」のW点のみとなります。
W点は経審点数アップに即効性が期待できる項目で、一番初めに検討したい項目となっております。

経審の点数に関わる主な変更点

W1の「建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況」に下記の2つの項目が追加されました。
①ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況 　5点
②建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況　15点

改正前のW点合計（最高点）217点でしたので、改正後は上記2つの項目が加わったことにより237点に、
つまり、20点もアップすることになりました。

ちなみに、経営事項審査（経審）についてわかりやすく記事を
書いたので、わからない方はぜひ読んでみてください。
経営事項審査（経審）とは―わかりやすく解説！

経審の点数が下がる理由

改正によってW点は20点もアップしたのになぜ下がるのでしょうか？

それは、Ｐ点に占めるＷ点のウェイトが大きく増加するため、他の評価項目とのバランスを考え
W評点を求める際の係数が下記のとおり変更されたためです。
【改正前】W評点＝Wの点数×9.5
【改正後】W評点＝Wの点数×8.75

数字で見る、係数が変更されたことによる影響

	改正前	改正後
W点の合計	100	100
W点	950	875
P点（W点×0.15）	142.5	131.25

改正前と改正後のW点が全く同じだった場合、なにも対策せずにいるとなんとP点は11.25点も下がることになります。
ご存じの方も多いかと思いますが、このP点は公共工事の入札ランクに関わってくるものです。

経審の点数減少をどう対策するか？

① ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況で加点を目指す

改正によって新たに新設された項目です。「えるぼし」「くるみん」「ユースエール」の認定の取得を目指します。

「えるぼし認定」とは、女性活躍推進法に基づく認定で、女性の活躍促進の状況が優良な企業を認定する制度です。
「くるみん認定」とは、次世代法に基づく認定で、仕事と子育ての両立を支援している企業を認定する制度です。
「ユースエール」とは、若者雇用促進法に基づく認定で、若者の採用や育成に積極的な企業を評価しようとする制度です。

ワークライフバランスは近年どの業界においても重視されておりますが、
特に建設業界においては、ワークライフバランスが取れない業界として認識されています。

そこで、上記3つを評価の対象として経審で加点対象になりました。
しかし、上記3つの認定を取得しているのは、ほぼ大企業が占めています。
また、建設業の同業他社の取得率も相当低いです。

結論として、 ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況で加点を目指すのは、かなり後回しでよいと言えます。

② 建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況で加点を目指す

いわゆる「CCUSの取り組み」についてです。
国交省が力を入れて取り組んでおり、少しずつ普及してきております。

【加点の要件】
1.審査対象工事のうち、民間工事を含む全ての建設工事で該当措置を実施した場合　15点
2.審査対象工事のうち、全ての公共工事で該当措置を実施した場合 　 10点

公共工事を請け負っている中小建設業者としては、上記2.の10点の加点を狙いにいければベストかと思います。

③ 既存のWの評価項目またはW以外で加点を目指す

会社の状況によって、なにができるかを探しましょう。
できる課題に一つずつ丁寧に取り組むことによって、経審の点数の減少を抑え、公共工事の受注につながるはずです。

■まとめ

今回は、対策せずにいると経審の点数が下がる理由について解説しました。
ただなんとなく経審を受けて点数を見ているのではだめです。
改正点をよく理解したうえで、経審に挑むことが重要です

その際に手続きや内容について、何か不明な点がございましたら、建設業専門の行政書士まで
お問い合わせください。

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