その決算変更届、大丈夫?実はほとんどが間違ってます!【建設業専門の行政書士が解説】

群馬県の建設業許可なら任せろ!
群馬県で建設業を専門としている行政書士の小野です。

毎年提出が義務付けられている「決算変更届(事業年度終了報告)」ですが、内容が正しく作成されていないケースが非常に多いのが現実です。
今回は、税理士が作成した決算書をそのまま転記すると建設業法違反の疑いを生む可能性について、
実際の数字を交えて解説します。

税理士が作った決算書をそのまま提出していませんか?

建設会社の社長からよく聞くのが、

「税理士が決算書を作ってくれたから、それをそのまま転記して提出している」

というものです。

たしかに、税務申告用の決算書としては問題ありません。
しかし、建設業法に適合した決算変更届とは別物です。
「そのまま提出」は、大きなリスクをはらんでいます。


典型的なNG例:人件費ゼロの完成工事原価報告書

たとえば、次のような完成工事原価報告書を見てください。

材料費70,000
労務費60,000(うち労務外注費:0)
外注費80,000
経費50,000(うち人件費:0)
合計260,000


一見、数字はきれいにまとまっているように見えます。
しかし、この内容では**「人件費がゼロ」**と許可行政庁に報告していることになります。

これは極めて危険です。


なぜ「人件費ゼロ」が問題なのか?

建設業法では、一定規模以上の工事について、主任技術者や監理技術者の設置が義務付けられています

つまり、工事現場には必ず技術者が配置されているはずです。
それにもかかわらず「人件費が0円」と記載されている場合、次のような疑いが生じます。

  • 技術者を配置していない=建設業法違反の可能性
  • 技術者を配置したが、その費用を原価に含めていない=不正確な報告
  • 実態と異なる内容を申告している=虚偽申請の疑い

このような記載は、「技術者を配置せずに工事を実施した」と自ら申告しているのと同じです。
県からの呼び出しや、指導対象になる可能性もあります。


なぜこうなるのか?──「税務」と「建設業法」の考え方の違い

税理士が作る決算書では、人件費が損益計算書にまとめられ、工事原価明細書に直接記載されないことがあります。
それをそのまま建設業の「完成工事原価報告書」に転記すると、人件費ゼロという不自然な書類が出来上がってしまうのです。

つまり、税理士は税務のプロであって、建設業許可の要件に精通しているとは限りません。

建設業法のルールに沿った記載には、建設業に特化した行政書士のチェックが必要なのです。


■まとめ|建設業を専門としている“行政書士と連携”を

決算変更届は、建設業者の信用力を支える重要な書類です。

  • 技術者がいるのに人件費が0円
  • 書類だけ出せばよいと思っている
  • 税務と建設業の基準の混同

こうした不備のある届出は、元請・融資・入札の際に信用を落とすリスクがあります。

今回は代表的な例として「人件費ゼロ」のケースを取り上げましたが、実際には他にも見落とされがちなミスや建設業法上の不備が多く存在します。
そのまま提出してしまうと、許可行政庁から指導の対象になることもあります。


当事務所では、決算変更届の作成・チェックはもちろん、税理士の先生との連携も含めてご支援可能です。

「建設業専門でない行政書士に依頼しているけど届出は大丈夫かな?」
「これまで自社で作成して提出していたけど大丈夫かな?」

そんなときは、ぜひお気軽にご相談ください。

対応可能エリア

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この記事の監修

群馬建設業許可専門行政書士事務所
代表/行政書士 群馬県CCUS登録行政書士(建設キャリアアップシステム)

小野 郁也(おの ふみや)

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